その数式は10年ほど前
SNSの上での投稿をきっかけに大きな話題になりました。
6÷2(1+2) =
この数式の答えは?
1?
9?
この数式、正解が二つ?
計算機の種類によって答えが異なります。
ちなみに私のスマホに入っている関数電卓アプリでは 1
Googleで入力すると 9
「じつに面白い」ですね。
小学校で習った四則演算のルールだと
・式中に括弧があれば、最優先で計算する
・足し算、引き算より、掛け算、割り算が優先
・掛け算と割り算が同居する際は左側から計算する
なので、
6÷2(1+2) = 6÷2×3 = 3×3=9
となります。
しかし、中学校の数学では文字式、代数、係数などを学びます。
2(1+2) の頭の 2 を係数として捉え
(1+2)を x としてみると
6÷2(1+2) = 6÷2x = 3/x となり、
x に (1+2) を代入すると 3/3 = 1 となります。
この問いにSNS上で342万人が回答
1が正しいと答えた人 193万人
9が正しいと答えた人 149万人
多くの数学者たちもそこに参加し、
1派 VS 9派 となって大論争に発展。
自分の考えが正しいという主張同士がぶつかり合いました。
そしてこの状況を収めようと
スタンフォード大学で数学を研究していたタルウォーカー教授は
以下のように結論付けようとしました。
1917年以前なら 1 が正解
1918年以降なら 9 が正解
これは1917年以前の四則演算のルールには
「掛け算と割り算が同居する際は左側から計算する」
というルールがなかったからだそうです。
権威ある存在の仲裁で終わるかと思われましたが、
それでも「なんかスッキリしない」という人も少なくなかったようです。
そして、次は
「そもそもこの問題式が正しくない」と唱える台湾の学者グループが出てきました。
この式の 2(1+2) の部分が、
2×(1+2) なのか、頭の 2 が係数なのか、わからない、ややこしいと。
最新の関数電卓やアプリだと
6÷2(1+2)を入力すると自動的に
6÷(2(1+2)) = 1 と、式自体が変換されて計算されたり、
Googleでも
(6÷2)×(1+2) = 9 と、式が変換されて出てきます。
この論争は「この式(問題)自体が正しくない」ということにすることで一応収束しました。
この数式と、それに関わるエピソードを知り、
「これを日常とか、世の中とか、人生とかに対して無意識で起こる
問いについてはあてはめてみるとどうだろうか?」
という問いが自分のなかに出てきて、
そして、さらに
「その「問い」は「正/誤」だけで計れるのだろうか?」
「我々がわからないから、その問い自体が正しくないといえるだろうか?」
「どんな場面でも正/誤で判断することはできるか?」
「逆にどんな場面でも正/誤で判断したらいけいないのか?」
「誰にとっての正/誤か?」
「誰にとっての答えか?」
「ある場面では答えを出したほうがよいのか?出さないほうがよいのか?」
「ある時点では正/誤か?違う時点ではどうか?」
「答えが出るまでに、今すべきことは?やめるべきことは?」
「そもそも答えが出せるのか?」
「答えとは何か?」
などなど、
無限に出てきます。
私は学生時代、数学があまり得意でなかったのですが、
この
6÷2(1+2) という数式、
この問いは数学的には正しくない?のかもしれませんが
この世の中で生きていくこと、ものごとの捉え方、受け取り方
それと心の状態との関りというの面では
大切な気づきを導き出そうとしてくれる
そんな価値ある問いではなかと
そんな魅力を感じます。
明日もよい一日を☆