抱き癖がつく?

おつかれさまです。

 

過去の常識で今をみると

心の不自由を感じることがありますが、

今の常識で過去をみると

心の不自由を感じることもあります。

 

1964年から「母子手帳副読本」には

「抱き癖がつくからあまり子供を抱かないように」

といったことが書かれていたそうです。

 

パソコンもスマホもなく、育児本もほとんどない、

情報は今より断然少なく、

そこにかかれたその情報は相当の影響力があったことでしょう。

 

大人になっても、

「なんでもっと(子供のとき)愛してくれなかったの!」

という感覚を持つ人のなかには、この情報の影響をうけた人もいるのでしょう。

 

のちに、その情報は誤りだったと、

1985年に「抱きたいと思ったら抱いていいのです」に変わりました。

 

近年、さいたま市が発行する祖父母向けの「祖父母手帳」には

今は「だっこは自己肯定感、人への信頼感が育つなど、心の成長に大切」

と常識が変わったと書かれています。

 

しれっと書いてますが、

 

「自己肯定感」

 

これ、めちゃめちゃ大事なわけです。

 

抱っこしてあげるとオキシトシンという

安心感や信頼感を得られるホルモンが分泌されます。

医学的にも証明されていることです。

 

私は1969年生まれですから、

その「抱き癖がつく」が常識だった、まさにその世代の子になります。

 

誠実で真剣に子育てに取り組もうとした親であればあるほど

その情報に忠実に、守ろうとした人もいたのだろうし、

抱きたいけれど我慢した人もいたのだろうなあと。

それなのに子供たちから恨まれたらどんな気分なのだろう?

と想像します。

 

その情報の影響を受けた世代の親たち、

その影響を受けた世代の子供たち、

その子供が親になってその常識が変わったことを知らないと

繰り返している人もいるかもしれません。

また、その情報は知っていても、

抱っこされたことがないと思い込み

抱っこすることについて感覚的に違和感を感じる人もいるかもしれません。

 

「抱き癖がつく」がなぜ提唱されたのか、

一説には、

戦後のアメリカの育児方法から取り入れられた際、

女性の社会進出に伴う育児の人手不足を補うための、

大人の都合だったとも。

 

これが本当だったとしたら

「ふざけるな!」と言いたい気持ちですが、

 

そう言ったころで、自己肯定感が高まるわけでもないので、

もし、その影響で、自己肯定感に支障があったとしても

大人になってからでも

自分でそれを育てていくことが

エネルギーの使い方として価値があるように思います。

 

私の場合は、心理学や実践学などの学びが

その役にたっていると感じますし、

また、心理カウンセリング、セラピーなどに頼ってみるのもよいでしょう。

 

そして、

常識は真逆にさえ、変わる。

そもそも当時の常識は正しくなかったわけです。

常識ってそういうものだと知るのもよいかもしれません。

 

自分が常識だと思っていること、

自分がこの世界をみる「地図」のようなもの

 

それを見直し、刷新していく力と、

「地図」はどんな背景があってできたのかを知る力

 

どちらも育てていきたいと思います。

 

明日もよい一日を☆

 

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