困ったことは起こらない?

先日、テレビの情報番組を見ていたら、
京都大学の生協で売られている”素数ものさし”を紹介していました。

その名のとおり、そのものさしに表記されている目盛りは、
素数(1か、その数字でしか割れない数)のみ。
つまり 2、3、5、7、11、13、17(cm)しか記されていない。

不便です。

このものさしを使って10cmの線を描けと言われたら、
どのようにすればよいでしょうか?

カンで描く?

それはそれで、ナイスな答えかもしれませんが、、、

10は13から3を引いた数、
だから、ものさしの3の目盛りのところから13の目盛りまでの間
まで線を引けば、10cmの線を描くことができます。

、、、不便です。

しかし、「どのようにすればできるか?」という、考える力がつきます。
脳が鍛えられます。

このものさしは、不便益システム研究所というところが製作したものだそうです。
不便益とは、不便ということから得られる益のことだそうです。

不便さ、なかなか思い通りにならない、困った状況というのは、

脳や体の学習に役立つ。
ある能力の向上に役立つ。
成長を促してくれる、ということを改めて感じます。

自身の例をあげると、

私が住むのは4階立ての3階で、エレベーターはなく階段のみ。
大きな荷物を運ぶときなどには不便だなあと感じることもあります。
しかし、まだ小さなうちの子供が足の筋力を鍛えるのに、
けっこう役立っているということに気づけます。

私が前の会社に入社して間もないころ、会社から、
100km離れた顧客先に一人で常駐することになりました。
いろんなことが解らなくて、誰かに教えてもらいたくても、
近くに聞く相手がいない状態。
おかげで、自分で「どうやったらいいのか」を考えて動く力がつきました。

実家を離れて、始めて一人暮らしをしたとき、
食事、洗濯など家事をすること、バイトしてお金を稼ぐということ、
数百円でその日一日をやりくりすることなどを学び、
いろんな、ありがたさを感じることができました。

昔、斉藤一人さんが講演のなかで、
「困ったことは起こらない、困っているんじゃなくて学んでいるんだ」
と言っていたのを思い出します。

逆に「人は困らないと学ばない」とも。

なにかで困ったときは、
「今、そのことについて、学んでいるんだなあ」
そう思うことで、いろんな体験の意味も感じ方を変えることもできそうです。

いかに効率的にやるか、効率的であるか、
もちろん、それは脳にとって大事な戦略。

一方で、その”ものさし”から

いかに非効率的にやるか、非効率的であるか、
それも脳にとって、大事な戦略だよなあと、

そんなことを感じる今日このごろです。

明日もよい一日を☆

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